コラムその他

弁護士×中小企業診断士の視点①:「中小企業診断士」の魅力はどこにあるのか(弁護士中村真二のコラム)

多岐にわたる「独占業務」を持つ「弁護士」資格はやはり強い

中小企業診断士の資格を取って、いくつか思ったことがある。

その内の一つは、「弁護士」という資格は、やっぱり文系最強だな、ということだ。

刑事弁護人、破産管財人などの独占業務は言うに及ばず、何より、弁護士法72条において、「報酬を得る目的で・・・その他一般の法律事件に関して鑑定、代理・・・その他の法律事務を取り扱い・・・することができない。」と規定して、法的紛争の関わる代理業務全般を弁護士以外の者が行うことを禁止する、いわゆる「非弁行為の禁止」規程によって、弁護士の職域が大幅に保護されているからだ。

大学の友人に指摘されたことでもあるが、中小企業診断士は、弁護士のように法的に保護された、いわゆる「独占業務」は存在しない。それでも、中小企業診断士の資格やそこで得た知識や能力が必要とされる場面は多岐にわたるわけであるが、「これ一つあれば、一応、食うには困らない」というほどのパンチ力にはやや欠けることは否めない。

「中小企業診断士」は他の資格や経験を生かす資格である

個人的には、「中小企業診断士」という資格は、「ブースター」だと思う。

営業なり品質管理なりITなりの業務経験、あるいは、コンサル会社での勤務経験、若しくは、弁護士や税理士のなどの他の国家資格、などといった、他の社会人経験やスキルを持っていれば、それを2倍3倍に膨らませる力が、「中小企業診断士」の資格にはあると思う。

けれども、ほかに核となる資格や経験を持たない方が、この資格を単独でとったところで「果たしてどれだけ役に立つのか?」というのが率直な私の感想である。

20代前半など、若くして中小企業診断士の資格取得を目指す方もおられる、というのを聞いたこともあるし(合格者の年代別分布をみると、一定層が存在することが分かる。)、就職に有利になるのではないか?と思っているのかもしれないが、個人的には、早くしてこの資格を取ることには全く賛成しない。

若手弁護士や事務員の採用など、採用担当を経験したことがある私の感覚を率直に述べると、「何となく就職に有利そうなんで、中小企業診断士の資格を取りました。」という雰囲気だとかえってマイナス評価で、他に様々な資格がある中で、何故中小企業診断士の資格を選んだのか、その資格を生かして、将来的に自分のキャリア形成を具体的にどうしたいと考えているのかを説得的に述べてもらった上で、自分が描く将来的なキャリア形成と会社のニーズとをうまく合致させてもらわないと、本当の意味での「就職に有利」というところまで昇華させるのは難しいのではないかとも思う。

中小企業診断士の資格取得はそんなに簡単ではないし、若くしてすぐ使えるものではない。むしろ、せっかく若いんだから、もっと「社会人としての基礎体力」を付けるような、違う経験を積むことの方が大事ではないか、とすら思う。平たく言うと、「そこにそれだけのエネルギーを費やす時間と労力があるなら、もっと別のことに使えなかったの?」という、若干ピントのずれた価値観を持っている人だな、というイメージをどうしても持ってしまう、という意味で、「マイナス評価」ということになるのである。

「中小企業診断士」は社内診断士でも独立系診断士でもうってつけ

感触としては、中小企業診断士の資格を取るのは、早くとも30歳から(弁護士で言えば3~5年目以降)で十分であり、空の器にブースターを付けたところで、ほとんど意味がない。

逆に言えば、ある程度の社会人経験やスキルを積んだ30代以降の方には非常にお薦めの資格であり、サラリーマンであっても、独立を目指す方あるいは既に独立しておられる方であっても、自己研さんや価値観の幅を深めるといった抽象的な目標については勿論のこと、人脈や収入の+α、業務の幅の拡大や既存業務とのシナジー効果などといった具体的な効果の獲得という意味でも、非常に打って付けの資格ではないかと思う。

本人たちの了解を得ていないので具体的にはここでは挙げないが、先日終えた実務補習で共にした3人の他のメンバーや指導員の先輩中小企業診断士は本当に素晴らしい経歴と能力の持ち主の人達ばかりで、「中小企業診断士の資格を取る人達って、こんなにレベルが高いのか」と驚きと研さんで非常に充実した毎日だった。

この資格を取ったことは、もちろん顧問先の方々にも大変好評で、自らの業務の幅と深さ、人脈等が、文字通り、飛躍的に向上していることを日々実感している。

反対に、今まで、いかに自分が「弁護士」という資格の上に胡坐をかいていたのか、遅まきながらに実感する始末で、顧客に受け入れられるモノやサービスを提供し、対価を得るには、綿密な計画と市場リサーチ、顧客視点での魅力発信、そして、それらを複合的に絡み合わせるための涙ぐましいまでの努力と行動力が必要なんだ、というのを強く感じている。

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