コラム保有割合別の内部紛争

検査役選任申立の積極的な活用法①~内部紛争・トラブル型事業承継の勘どころ~

2.総会検査役の選任と効用について(総論)

内部紛争やトラブル型事業承継が生じた場合、多数派であっても少数派であっても、会社運営の適法性を確保・維持していく必要があることに変わりはありません。そのため、従前に株主総会を開催したことがあるか否かに関わらず、半ば否応なしに株主総会を開催していかねばならないのが実情です。

もっとも、弁護士に相談しに来られる場合は、対立が深刻化している場合が多いこともあり、その運営は一筋縄ではいかないことも少なくありません。

開催される株主総会の適法性を確保したり、総会が円滑に実施されることを確保したりする必要性が高い故に、株主総会の開催に併せて、総会検査役の選任をお薦めすることもよくあります。

実際上は、株主側であれ、役員側であれ、多数派を握っている方が株主総会を開催するときに、総会検査役の選任を申し立てることが多いです。

総会検査役の選任(の申立)は、少数派の株主から、後で株主総会の無効や取り消しの訴訟を提起されるリスクに備える、という意味合いも勿論ありますが、私自身は、それ以外の複数の理由により、特に多数派として開催される株主総会に関与する場合は、この手続きの利用を積極的にお薦めしております。

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