コラム

競業取引の具体的検討②~応用編~

因みに、この裁判例に照らした場合は、イ・ウに上げた他社役員への就任や新会社設立行為はどのように評価されるでしょうか。

この事件では、Yが取引先(や従業員)の横奪目的の具体的な準備行為を行っていたという事情がありました。また、Yは、在任中、(A社の役員であったYの父を通じて)A社との取引中止を取引先に求めていたなど、在任中のYの利益相反的な行動が大きく判断を左右したのだと考えられます。

したがって、競業の役員に就任すること、または競業する新会社を設立することのみでは競業取引にはあたりませんが、それらから派生する具体的な行動如何では役員退任後の(行動による)損害賠償責任を基礎付ける事情として斟酌されることになるので注意が必要といえるでしょう。

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