コラムその他

弁護士×中小企業診断士の視点⑥: 取締役報酬の減額事例からみる「弁護士×中小企業診断士」の役割③

前回のコラム(「弁護士×中小企業診断士の視点⑥: 取締役報酬の減額事例からみる「弁護士×中小企業診断士」の役割②」)の続きです。

6.「役員は重要なパートナー」という視点が重要である

翻って考えると、「役員は重要なパートナー」という視点をもって、対立軸ではなく、協力関係にあるという原点に立ち戻って話し合いをすることが、双方にとって重要である。

弁護士としてだけ事件に関与している場合、当事者も含めて、どうしても対立軸で物事を見てしまいがちだが、本来、「役員は重要なパートナー」であり、協力関係を築くことはWIN-WINの関係にあるはずである。

会社の問題に関与していくうちに、中小企業診断士として会社全体を俯瞰した場合、目先の役員報酬の問題は実は小さな問題にすぎず、本質的には、会社をどのような方向性で、どのように運営していくかの方が遥かに重要であると気が付くことがある。

具体的には、例えば、会社の赤字の原因がどこにあるのか(売上高の問題なのか売上原価の問題なのか販管費の問題なのか、財務諸表で言えば、安全性の問題なのか収益性の問題なのか生産性の問題なのか、等)、赤字を解消するためにはどこにどのように手を付ければよいのか、などを、対立する当事者間で実はきちんと共有すらできてないのではないか、と思うことも少なくないのである。

7.本格的な紛争の「一歩手前」の利害の調整弁として
~「弁護士×中小企業診断士」における「対立軸×協力関係」での役割~

興味深いことに、「会社全体をみた場合、目先の役員報酬の問題は実は小さな問題にすぎず、本質的には、会社をどのような方向性で、どのように運営していくかの方が遥かに重要である」と、実は当の本人たちも気が付いている場合がある。

とはいえ、感情的なしこりも絡み、自分たちだけでは解決が難しく、そのような場合には、法的な判断と経営戦略の両方の視点から、言い換えれば、「対立軸×協力関係」の両方の視点から、「弁護士×中小企業診断士」が介入することは、まさに適任である。

率直に述べると、このようなニーズが埋もれていたことは資格を取ってから気が付いたことであり、以前は「中小企業法務に関わる周辺の問題に取り組むことが出来れば」という漠然とした認識しかなかった。

意外にもそのようなケースで紛争(正確にはその「一歩手前」の段階)に介入すると、双方から感謝されることも少なくない。

利益相反の問題も絡むので細心の注意が必要だが、ダブルライセンスを取得した社会的意義を強く感じる場面であることは間違いない。

本格的な紛争の「一歩手前」の利害の調整弁として。

換言すれば、「弁護士×中小企業診断士」は、「対立」か「協力」かという百かゼロかの場面とは異なる、「対立軸×協力関係」という、いわばグレーゾーンでこそ、一番効果を発揮するともいえる。

以 上

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