コラム

株主名簿について①

2.日常業務ではほとんど使わない株主名簿

(1)

会社法121条において、株主名簿に必要とされている記載事項は以下の4点です。

・株主の氏名又は名称及び住所(1号)
・前号の株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)(2号)
・第1号の株主が株式を取得した日(3号)
・株式会社が株券発行会社である場合には、第2号の株式(株券が発行されているものに限る。)に係る株券の番号(4号)

とてもあっさりしており、作成と備え置きは難しくないはずですが、上述の通り、きちんと整備している中小企業は多くはありません。

個人的には、以下の理由が考えられると思います。

(2)

まず、株主名簿が、確定申告書類や登記関係書類など、中小企業でも定期的に作成される書類とは異なり、日常業務ではほとんど使われない書類であることが理由の一つとして挙げられると思います。

私のところに来られる相談者の方で「株主名簿って何ですか?」と言われる方も少なくありません。

そもそも、上場会社など、多数の株主が存在する会社であれば、株の配当業務や定時株主総会の実施の際などに株主名簿を利用するのですが、中小企業や閉鎖会社では、株主が親族などごく一部の関係者に限られている・定時株主総会すら実施されていない実務慣行がある・純利益を内部留保に回し配当しない企業が多数ある、等の理由により、理念としては兎も角、株主名簿を利用する場面がそもそもない企業が多数存在する、というのが実情です。

次ページ:「株主名簿」と似て非なる「同族会社等判定明細書」「株主リスト」

お気軽にお電話ください。
相談のご予約はこちら

ご相談・ご予約はこちら お電話:06-6170-8366 電話番号:06-6170-8366 メール相談・来所相談を承ります

多種多様な事案に対応

新世綜合法律相談事務所