コラム

何故株主権の帰属が問題となるのか?

6.大切な株式(保有割合)を失わないために~防衛策③:関係書類は自分で保管する~

三番目の防衛策として、通帳や振込明細、領収書、株券など自己が実質的な株主であることの分かる書類の原本は必ず自分で保管するようにしましょう。このような重要な書類の原本類を「誰を持っているか」も、誰が実質的な株主であるかの情況証拠の一つとなり得ます。

7.株式名義の譲渡/譲受等、閉鎖会社の株の取扱は必ず弁護士に相談するべき

以上の通り、株式の実質的帰属が問題になるケースが多い背景やその理由、その防衛策等について簡単に触れさせていただきました。会社の内部紛争(経営紛争)において、会社の株式の保有数(保有割合)が重要である割に、その防衛策をきちんと取られていないために株式の実質的帰属が問題となってしまうケースが非常に多いというのが実感です。

自分の会社、と思っていたら、いざ問題が起こるとそのまま他人に会社を奪われてしまった、という結果になると目も当てられませんし、そのような結果になってしまうことは私としても全く本意ではありません。また、実際に株主権確認訴訟等が発生する場合に比べれば、株式譲渡契約書等の作成にかかる弁護士費用も非常に小さくて済みます。

株式名義の譲渡/譲受等、閉鎖会社の株を取扱われる際は、安易に自己判断することなく、必ず弁護士に相談するようにいたしましょう。

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