株主総会では、どのような事項を決める必要がありますか?
Q.大阪市で不動産会社を営む会社です。株主総会を開く際、具体的にどのような事項を株主総会で決めていかなければならないでしょうか?
A.株主総会で決議する必要のある事項は、会社法規定の法定決議事項です。
1.株主総会の法定決議事項
会社法で規定されている必要決議事項は、下記の7項目です。
- ① 取締役等の選任・解任、取締役等の報酬の決定
- ② 定款変更
- ③ 資本減少
- ④ 合併、会社分割、営業譲渡
- ⑤ 株式交換・株式移転
- ⑥ 計算書類の承認、余剰金の分配
- ⑦ 自己株式の取得、募集株式の有利発行
2.法定決議事項の定足数や必要賛成数などの決議要件
法定決議事項の定足数や必要賛成数などの決議要件は、個々の決議事項に応じて下記の4つに分かれます。
ⅰ.普通決議事項
定足数 | 当該株主総会において、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主の出席 |
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必要賛成数 | 出席した株主の議決権の過半数 |
ⅱ.特別決議事項
定足数 | 当該株主総会において、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主の出席) |
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必要賛成数 | 出席した株主の議決権の3分の2以上 |
ⅲ.特殊決議事項Ⅰ
定足数 | 当該株主総会において、議決権を行使できる株主の半数以上の出席 |
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必要賛成数 | 出席した株主の議決権の3分の2以上 |
ⅳ.特殊決議事項Ⅱ
定足数 | 総株主の半数以上の出席 |
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必要賛成数 | 総株主の議決権の4分の3以上 |
基本は普通決議事項です。
特別決議事項や特殊決議事項については、定款により、必要賛成数を加重することが認められています。
3.法定決議事項について
法定決議事項は株主総会の決議を経た上で、取締役会等にその決議の効力の発生時期を委ねることなどは可能ですが、定款で、取締役や取締役会など、株主総会以外の期間が決定できると取り決めたとしても無効です(会社法295条3項)。