事業承継コラム

弁護士×中小企業診断士の視点:コロナ禍における事業承継・経営紛争②

1.相談の王道・名義株問題

コロナ禍以前でも以後でも、事業承継・経営紛争で相談を受けることが多い筆頭の類型は、やはり名義株の問題である。

名義株とは、狭義には,「他人名義を借用して、株式の引受及び払い込みがなされた株式で、名義借用の結果として株主名簿上の名義人である株主とその株式の真の所有者とが異なる状態となった株式」を,広義には,「株主名簿上の名義と真の株主の名義が一致しない株式全般を指す(東京弁護士会 中小企業法律支援センター 弁護士研修センター運営委員会編「事業承継支援の基礎知識」104頁参照)。

平成2年商法改正前には,7人以上の設立発起人が必要だったこと等から,古い株式会社においては名義株が多用されていた実態がある。

事業承継や経営紛争が問題となる会社は、歴史のある会社が多く,特に狭義の意味での名義株の処理が必要な会社が少なくない。

広義の意味での名義株が問題となる場面は,例えば,譲渡、相続等の場面で、株式移転に必要な法的書類が誤解されがちであることも原因の一つであるが,これについては,「株式の譲渡・譲受け」の問題として後日触れる。

本稿では,特に狭義の意味の名義株の処理方法について,確認していく。

次ページ 「2.真実の株主は実際にお金を支払った人物(名義借用者)」

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