事業承継コラム

弁護士×中小企業診断士の視点:成功する事業承継と失敗する事業承継の分水嶺

1.創業から二代目への事業承継の難しさ

去る2021年4月19日、大阪府中小企業診断協会の事業承継&ファミリービジネス研究会に出席した。(https://www.shindanshi-osaka.com/study-group/succession-fb/

講師である高橋秀仁中小企業診断士(http://asisst-2daime.com/)からは、コロナ禍における事業承継問題に取り組む当事者の様子を診断士視点から若干触れていただくとともに、事業承継の成功要因や失敗要因を、ご自身の経験を交えて話をしておられた。

講演の中で、いくつか印象に残ったフレーズがあるが、その一つが「創業から二代目への事業承継の難しさ」である。

高橋診断士は、ご自分の2代目としての失敗経験やコンサル経験を語られた上で、「創業から二代目への事業承継が一番難しい」「5代、6代とも続けておられる会社は、僕からみれば、本当に立派な会社です」という話だった。

私が関与する事業承継・内部紛争の案件も、創業者・二代目・数代目、それぞれの立場の方がおられるが、言われてみれば、確かに、数代の承継を経験している会社の方が、全体として事業承継が円滑に進んでいる印象を受ける。

私が関与する事業承継の場合、職業柄、失敗/失敗しかけの事業承継が圧倒的に多く、目の前の難題にどう対処するかで手一杯で、何代目の案件なのか、という点に焦点を置いた考え方は今までしたことがなかった。

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