弁護士×中小企業診断士の視点：コロナ禍における事業承継・経営紛争⑥
１．事業承継の中心的課題である「株式の譲渡・譲受けの問題」
前回までのコラムで触れた①「名義株問題」が相談の王道、②「役員の解任・退任（や交替）問題」が「避けては通れない！」、とすれば、最後に触れる③「株式の譲渡・譲受けの問題」は、事業承継における特に法的課題のうち、中心的なものといえる。
相談内容も、実際に株式の譲渡・譲受けがなされた後の、いわば事後処理的な問題から、これから株式の譲渡・譲受けをするにあたって、どのようなことに気を付けるべきかなどの法的なフレームワークの問題まで、非常に多岐に亘る。
全てを書き出すと、「株式の譲渡・譲受けの問題」だけで、膨大な記載になってしまうので、本稿では、譲渡側（先代経営者側）・譲受け側（承継者側）、それぞれについて、特に気を付けておくべきポイントを簡単に触れる程度にしておきたい。
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