検査役選任申立の積極的な活用法④~内部紛争・トラブル型事業承継の勘どころ~
1.総会検査役の選任と効用について(各論④)
本稿は、過去3回にわたって掲載した、株主総会の検査役の選任の効用についてのコラムの最後になります。
総会検査役を選任する効用の4番目に挙げさせていただきたいのは、「当該事案に対する中間的結論(場合によっては、終局的解決)が、比較的早期に出されること」です。
既に述べた通り、「総会検査役を選任して行う株主総会の実施」を機に、「違法性の抑止機能」や「証拠保全機能」(実務ガイド「新・会社非訟」(増補改訂版)148頁)、あるいはそれらの派生的効果としての「当事者間の話し合いの促進機能」が生じ得ること、を指摘しました。
本稿では、これら機能の複合的効果により、「当該事案に対する中間的結論(場合によっては、終局的解決)が、比較的早期に出されること」の意味合いが高まることについて、解説していきます。
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