何故株主権の帰属が問題となるのか?
2.相続対策
また、相続対策のために、株の名義をご自身の配偶者や子どもの名義にしておられるケースも非常に多いです。内部紛争に発展した場合、一方からは「名義株だ」という主張が、他方からは、「名義だけではなく実態も伴っている」という主張がなされることが多いのですが、実態としてはどちらのケースも非常に多いので、外部からはどちらの言い分が本当であるのか、判定が非常に難しくなります。
3.権利移転時に必要な書類を揃えていない
比較的社歴の長い会社等で、株主が設立時から幾度か変わっている場合があります。しかしながら、株主変更の際に、株式譲渡契約書等、必要な書類を具備していないケースは決して少なくはありません。背景として、株式譲渡契約書等の株式譲渡にかかる証明書類は、税務上や登記上、必ずしも要求される書類ではないこと、中小企業では株主名簿があまり具備されていない実態があることなどが考えられますが、いずれにしろ、一度内部紛争が発生すると、必要な書類が整っていないために、「そもそも株主かどうか」という点を含めて大きな争いが生じてしまうことになります。